2013年10月16日

TINA的思考(他に道はない)の危険性

安倍晋三首相は、特に海外での演説で「TINA(他に道はない)」という言葉を多用する。

−−引用開始−−
平成25年6月11日世界経済フォーラム JAPAN Meeting
今年は、世界から偉大な指導者が消えてしまいましたね。
マーガレット・サッチャーのことです。
There is no alternative。サッチャー首相の、口癖でした。
TINAと、頭文字をとった四文字言葉まで、有名になりました。
私も、同じです。これ以外の道は、ありません。TINAといつも思って、やっています。
日本の財政を立て直すにも、TINAです。


平成25年6月19日 ロンドン・ギルドホール(G8サミット後)
その要点をお話しする前に、これは日本にとって、いまは亡きマーガレット・サッチャーさんにならうなら、「TINA」だということ、There is no alternativeだということを、ご理解ください。
(中略)
ですから「アベノミクス」とは、世界経済と、日本経済の、Win-Winですし、経済成長と、財政再建の、Win-Winです。
と、いうより、この、ふたつのWin-Winを追求する以外、日本の選択肢はありません。「TINA」です。


平成25年7月26日 第33回「シンガポール・レクチャー」
そして成長なくして、外交や、安全保障の強化は、あり得ない、ということが、お分かりいただけるでしょう。
経済成長は、すべての前提条件です。
マーガレット・サッチャーに倣って、私はこれを、「ティナ(TINA)」、"There is no alternative"だと言ってきました。
しかも日本のような、技術、知識集約型の経済は、イノベーションの助けを借りないと、生産性を伸ばすことができません。
必要なのは、規制の大胆な改革です。TPP交渉のような、外部からの触媒です。
国境を越え、経済圏をまたいだ、ダイナミックな、「競争」と「協調」による、新しい付加価値の創造です。
そしてそれには、既得権益に立ち向かう、強い政治力を必要とします。
今度の選挙で、私たちはようやく、政治と、経済を、良い方へ、良い方へ、回していくきっかけを、つかんだのだと思っています。あとは、実行あるのみ。
本当に、私たちは今、TINAの状態になりました。
−−引用終了−−

TINA(There is no alternative、他に選択肢は無い)。英国のマーガレット・サッチャー元首相が好んで使った言葉というが、これはとても危険な思考法である。なぜ他に道がないと断定出来るのか?
あまり良い喩えではないかもしれないが、「このはしわたるべからず」と張り紙された橋の端っこではなく一休さんのように橋のまん真ん中を渡る方法があって良いはずだ。古来偉大な発明にはこの種の発想の転換がつきものだった。
『日本人に謝りたい』の第2章「二元論的思考法──典型的なユダヤ的思考パターン」においてもTINA同様の二元的思考、○☓的式思考法は一神教であるユダヤ教特有の思考法として批判されている。古来より八百万の神を讃えてきた日本人には合わない思考法とも言える。

TINA的思考はぼったくり飲み屋で金を出すかさもなくば痛い目に合うかとヤクザが迫るやり方、カルト宗教で信者になるか地獄に落ちるかと入信を迫るやり方など、いかがわしい事柄を人に強要する際相手の自由な思考を縛る時にもよく使われる。
経済成長には規制改革しかないと言ってTPP年内妥結に突き進む安倍晋三首相はぼったくり飲み屋のヤクザさながらである。
日米安保が重要だから対米隷属はやむを得ないという考え方もTINA的思考と言える。

最後に「There is no alternative」で検索順位1位の「誤った二分法 - Wikipedia」の「他に選択肢はない」から引用する。
−−引用開始−−
他に選択肢はないという主張は、両極端だけを選択肢とする誤った二分法の例である。その場合、選択肢はそう主張する人の提案だけにしぼられる。もちろんその話者は他の選択肢がないと信じているわけではなく、それについて議論したくないというだけのことが多い。代替案に反対するというよりも、代替案の存在そのものを否定することでそれらを無効化しようとする。

マーガレット・サッチャーはこの言葉をスローガンとして使ったことで知られており、そのために TINA (There is no alternative) という略称まで生まれた[4]。
[4] WTOカンクン会議 打ち砕かれた新自由主義 イマニュエル・ウォーラーステイン、『自然と人間』2003年12月号
−−引用終了−−

タグ:TPP 安倍晋三
posted by ぱじぇんと | コメント(0) | トラックバック(0) | 本編
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