2014年8月3日

ナチスと手を結んだユダヤ・シオニスト

イスラエルが建国された背景を調べていて、おもしろい記事を見かけた。
以前『日本人に謝りたい―あるユダヤ人の懴悔』について触れた際にもリンクした「INRI委員会」さんのサイトの記事。

「ナチスとシオニストの協力関係」

ナチスによるユダヤ人迫害が結果的にイスラエルの建国を大きく後押ししたとは聞いていたが、ユダヤ人の中でも「シオニスト」と呼ばれるユダヤ人国家設立を目指す民族主義者が、実際にナチスと協力関係にあったというのは衝撃的な内容だった。
確かに「ヨーロッパからユダヤ人を排除したい」ナチスと「ユダヤ人のパレスチナへの移住を促進したい」シオニストは方向性において矛盾しない。ヨーロッパ各地でユダヤ人がその国の人達と同化することへの強い拒否感も共通していたようだ。

  • ナチス親衛隊(SS)のアドルフ・アイヒマンやその上司がシオニスト・シンパで、ナチスの機関紙に親シオニズムの記事が掲載された。

  • ナチスによって、表がハーケンクロイツ(卐)、裏がシオンの星(✡)のメダルが作られた。

  • ナチスと「世界シオニスト機構」により、ユダヤ人のパレスチナへの資産移転に関する協定「ハーヴァラ協定」が結ばれた。(「ハーヴァラ」はヘブライ語で「移転」の意)


など、興味深いものだった。

ナチスとシオニストが協力関係にあったというのは現在ほとんど見聞きしないが、イスラエルにとっては都合の悪いことなのだろう。

最後に、同サイトの別の記事「シオニズムを批判するユダヤ人たち」から、
ユダヤ人にして反シオニズムの歴史研究家レニ・ブレンナー氏の著作『ファシズム時代のシオニズム』への高橋義人氏(京都大学大学院教授・ドイツ思想史)の書評を転載する。

周知のようにナチスはユダヤ人を迫害し虐殺した。

では当時、ドイツのユダヤ人たちは反ナチス運動を行なったのだろうか。否である。たしかにナチスに反対して戦ったグループもいるにはいた。しかしイスラエルの国の建国を目指すユダヤ人(シオニスト)は、むしろ積極的にナチスに協力したのだった。

本書(著者はユダヤ人)は、ドイツやイタリアのファシズム下におけるシオニズム運動の実態を暴露した、驚くべき本だ。当時の西欧には、西欧に同化しようとするユダヤ人と、そうしないユダヤ人とがいた。同化しようとしないユダヤ人や、同化しようとしても同化しきれないユダヤ人は、西欧諸国で嫌われていた。西欧にとどまっている限り、自分たちはいつまでも異邦人である。そう思った人たちはシオニズム運動を起こすにいたった。

その後まもなく誕生したナチズムは、公然とユダヤ人を非難した。そのときシオニストたちは、ナチズムは西欧への同化主義の失敗を証明するものだと考えた。ヒトラーも言い当てたように、われわれユダヤ人は西欧の中の厄介な異分子である。自分たちはもはや西欧には生きられない。実際、ナチスはわれわれユダヤ人を国外に追い出そうとしているではないか。ならば、われわれが行くべきところはパレスチナでしかあるまい。

そう信じたシオニストたちは、ヒトラーにシオニズム運動の支援を依頼した。むろんヒトラーはその依頼に応え、彼らを巧みに利用した。一時期、ナチズムとシオニストのユダヤ人たちは相当に親密な関係にあったのである。

イデオロギーの面でもナチズムとシオニズムは似ていた。リベラリズム軽蔑、民族至上主義、人種差別主義。これらが両者の接点だった。そしてもしもこんなイデオロギーがイスラエルをいまだに支えているとしたら、今日の中東問題の根は絶望的なまでに深い。多くの日本人は「ユダヤ人」問題に無関心だが、それだけに一読してもらいたい本である。


posted by ぱじぇんと | コメント(0) | トラックバック(1) | 本編
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

ナチスとイスラエルは似ている→バックが同じでは?シオニズムは政治的思想であり、ユダヤ思想とは別物。
Excerpt:  ナチスとイスラエルは似ているという指摘があります。 ナチスとそっくりイスラエル
Weblog: ふじふじのフィルター
Tracked: 2014年8月3日 09:06